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能登鉄道友の会の現地へ出向いての独自の取材による
第一弾 土佐くろしお鉄道 中村ー宿毛(宿毛線) 23.6km |
土佐くろしお鉄道は、鉄建公団が国鉄向けに建設していた宿毛線が国鉄再建法により建設が凍結されてしまい、国鉄としての開業が不可能となったことに対処するため、高知県と地元市町村が中心となって、完成後の経営引受け母体として設立されたものです。その後、図らずも国鉄再建法で第三次廃止対象とされた国鉄中村線について、これをバス転換しないために、経営を引受け第三セクターとして、既に宿毛線用に設立されていた土佐くろしお鉄道で運営させるとされたものです。
1988年4月1日に、窪川ー中村43.0Kmを開業し、1997年10月1日に鉄道建設公団の建設線であった宿毛線23.6kmが延長開業しました。開業時から高知・高松・岡山発着でJRの特急が直通して、そのため自社製作・所有の振子式特急形気動車2000系を4両所有しています。宿毛線開業時にあわせて、中村線の走行最高速度も85km/hから110Km/hに引き上げスピードアップ化をはかるなど奮闘しています。
競合交通機関の状況
線内だけの競合機関を見てみると、中村ー宿毛間に高知西南交通のバスが一日11往復走っており、所要時間56分で運賃は1100円。これに対して、土佐くろしお鉄道は普通列車13往復特急列車6往復で、所要時間は普通列車で最速で30分で運賃は610円。これだけ見ると「土佐くろしお鉄道」のほうが優位に立っているように見える。のと鉄道では、七尾周辺地区を除いては、のと鉄道の通っている地域内でも唯一ともいえる競合機関が西日本JRバスであり、運転本数でははるかにのと鉄道の方が多く、料金面でもも値上げされたとはいえ、まだのと鉄道のほうが優位ではある。こういったことを考えると置かれた状況はほぼ同じといってよいだろう。結局、第三セクター鉄道が苦戦しているのは、道路網の整備によるマイカーの普及によって、交通弱者以外はバスにも列車にも乗らないという時代になってしまったからで、いくら、他の交通機関より良くても駄目なわけで、地域輸送は仕方なく乗る学生と子供・老人だけになってしまい、定期輸送客数に限度があるのは、どこの第三セクター鉄道も同じなのである。
ならばと、観光客・ビジネス客などの不定期客の利用を考えて比較してみると、予約制の高知駅発着の足摺岬特急バスが一日2往復あり、それが途中の通過駅という形で窪川ー中村間で競合となっているが、あくまでこのバスは足摺岬への足のためのバスの性格が強く、路線内での競合では比較にならない。むしろ注目したいのは、土佐くろしお鉄道の沿線から、県庁所在地でもある高知市への足の比較である。この区間、道路の整備状況は能登と比べてみても遅れているのは明かなせいもあるが、中村ー高知間が所要時間約3時間・運賃2400円にのバスに対し、鉄道は窪川ー高知間がJR四国の路線となるが振子式2000系気動車のおかげで、特急列車利用で所要時間約1時間45分・運賃2470円に特急料金1550円が加わり、さらに指定席にするとさらに加わるが、時間を取るか料金を取るかで、選択の分かれるところだが、時間が1時間15分も違えば、2000円の出費でも納得のいくところで、ここでは土佐くろしお鉄道が優位にたっているのではないだろうか。国鉄からJR、そして現在ののと鉄道が苦戦する原因となった一つに、県中心部への輸送を特急バスに奪われたことがあげ
られる。能登の各地から県庁所在地でもある金沢市への特急バスが道路の整備によって年ごとに増えていく一方で、鉄道はどうだったかといえば、いつまでも古めかしくいかにも乗るのが窮屈そうでスピードの遅いキハ58系気動車を使って、直通列車の本数もダイヤ改正ごとに減っていく一方。現在では輪島・珠洲から一日それぞれ一往復では何とも寂しい限りである。経営努力がたらなかったといえば怒られるが、会社である以上、何らかの ことはしてほしかったものだ。現在ののと鉄道とは比較にならないくらい土佐くろしお鉄道は、こちらの輸送に奮闘している。しかしながら、現在工事がすすめられている高知自動車道が中村まで伸びれば差は縮まることも考えられるが、振子式気動車に勝つことはないだろう。能登では道路網の整備もほぼ終わった。ここで起死回生のと鉄道がよみがえるくらいの改革・・・そう、いつもいっているのと鉄道でも振子式気動車の導入を考えなくてはいけないのではないだろうか。
道路整備状況
土佐くろしお鉄道の利用は3回目であるが、今回はじめて自動車で中村・宿毛まで行き、沿線の整備状況を実際に走行して体験した。窪川から中村までは国道56線通称中村街道を走った。土佐くろしお鉄道の線路とほぼ平行して作られており、道路脇に駅があったところも少なくない。この道路、至るところで改良工事が進められており、工事用信号の多さに驚いたが、全体的にいって道幅も広く比較的走りやすいが、まだまだ急カーブや急勾配があり遅れている感じがする。しかし、のと鉄道の鵜川ー甲間の県道34号線に見られるような狭いところはなく、これも全部国道であるから整備もすすんでいるためだろうか。能登半島の真中をつき抜けるようにあるのとスターラインや能登有料道路のような高規格の道路がなく、国道56号線一本だけが大動脈の役割を果たしているため、中長距離で車が優位に立てない一因でないだろうか。中村ー宿毛の国道56号線通称宿毛街道も同様なことがいえるが、こちらのほうはバイパス工事が進められているようで、距離が比較的短いだけに全線完成すれば、大幅な時間短縮がはかられそうだ。
窪川ー伊野ではさかんに高知自動車道の整備が進められており、土佐市や須崎市でも工事現場を見ることが出来た。土佐くろしお鉄道とは併走していないものの、同じ前例として、のと鉄道が受けた併走していない能登有料道路全線開通の打撃が、土佐くろしお鉄道にも来ないとは言いきれないのではないだろうか。
| 列車に乗車してみて 土佐くろしお鉄道への乗車は3度目となったが、いずれも中村線で特急「南風」の乗車で、ローカル輸送のTKT8000形はまだ乗車したことがなかったので、今回は宿毛線の初乗車を兼ねてまずは途中の中村から8時6分発の宿毛行315Dに乗車した。 列車は2両編成で、窪川始発であったが、中村でほとんど乗客が入れ替わった感じだったが、車内は学生らでほぼ満席。それでも座れるところがちらほらとあったのは、立ったまま友達と話しにふける学生が多かったせいだろうか。列車の加速はまずまずだ。のと鉄道のNT100は軽そうにスーッといく感じだか、この車両は重みがあって、ググッと力強くいく感じだ。これもNT100より約1メートル長い車長なのにステンレス車体のためだからだろうか。スピードが出てくると軽快そのもので、スラブ軌道・ロングレールが多い高規格で、まだ新しい路線のせいだろうか。 列車のシートは、通勤通学や観光にも使えるようにとロングシートと転換式クロスシートの組み合わせである。配置はNT100と似ているが、やっぱりロングシートとセミクロスシートの組み合わせののと鉄道のNT100の車両と比べると格段の差があるばかりでなく、シートの色が茶色系で高級感を感じさせ、のと鉄道のオレンジ・レッドのシートは安っぽく思えてしまう。が、この車両は見栄えも良く、座り心地は長い距離を座っていても苦にならないくらい良い。テーブルこそなかったものの、クロスシートの部分の窓はロングシートの窓と比べると大きく眺めも抜群で、ちょっとした旅にはもってこいの車両だ。車内の設備も効率よく配置されており、トイレも全車両についている。運賃表は、運転席後方の上部についており、のと鉄道のNT100は運転席反対側前面窓の上につけてあるのを見なれているだけに、ちょっとわかりにくい場所にある気がした。また、目にとまったのが、整理券番号の他に駅名も一緒に書かれてあったところだった。ちょっと目の見にくくなった老人や、整理券を取り忘れた人などにとってはどこから乗っていくらなのかすぐにわかるので便利かもしれない。駅数の違いもあるだろうが、のと鉄道のNT100では、穴水駅にあたる部分だけ番号のところに穴水のシールのを貼ってあるだけなのを後日確認した。また、「小児料金半額 ただし端数は10円単位に切り上げ」との表示も大きく書かれていた。当たり前の ことのようだが、利用者は意外にも知らない人が多い。でみんな知っている・・・といえばそれまでだろうが、ちょっとした心遣いが利用者にとってみればうれしいのではないだろうか。車内の天吊広告には、自社のポスターが貼ってあった。「列車で遠足」と大きく書かれ、人数が揃えば列車を増結して対処しますのでぜひご利用してくださいとの旨の内容であるが、どこの会社もあの手この手でがんばっているんだなぁと感じた。しかし、のと鉄道のように3両もイベント列車に改造するだけの車両の余裕がないように思える。今あるだけの車両で何とかやりくりしているようでがんばって欲しいものである。 宿毛に近づくにしたがって、学生の姿も少なくなってきた。時間帯からいっても中途半端なためかもしれないが、通勤と思える乗客も少ないようだ。やはりここでも、老人の姿が目についた。列車は定刻の8時38分に高架駅で行き止まりの二ホームある立派な宿毛駅に到着した。駅前の開発は遅れているようで、コンコース部分にわずかながらの賑わいを感じながら、折返しの8時54分発の南風8号に乗車するため、いったん改札口を出て自動券売機で切符を買い求めた。 平成11年9月27日 乗車 |
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| こんなこと感じました 「他人のやっていることは、良いように見えるけど、実際には大変だ」とよく言いますが、現実を知らない者が、他の第三セクター鉄道がいいように思えるのはあたりまえかもしれませんが、本当に「土佐くろしお鉄道」の取り組み方がすばらしいと思います。せっかく残したんだから、県はもとより沿線の市町村は本当に鉄道を大事にすると同時に、守っていかなくてはならないんだと会社のある方がいっておられました。自然がたくさん残っていて、観光資源も豊富なところは、「能登」も「土佐」も同じなんだから、なんとか鉄道を利用してきてもらえるような体制づくりが必要だと思います。 「ガンバレのと鉄道 未来にむかって」でも提言したとおり、今ののと鉄道では、定期輸送だけでは限界がありますし、「やすらぎ」「くつろぎ」「やらわぎ」のイベント列車にしても赤字覚悟での運用で大きく収支の改善になるとは思いません。何といっても、観光・ビジネス輸送を車から奪いとるくらいの意気込みで、土佐くろしお鉄道のような自社所有の振子式気動車の導入で、対金沢を中心とした輸送体系の改善をすすめていかなくてはなりません。廃止・バス代行の方向で進んでいる輪島ー穴水間の原因は何だったんでしょう。間にわずか二駅しかないところに固定の乗客の増加なんて見こめるはずがありません。本来やらなくてはならない鉄道での観光集客を怠ったからではないでしょうか。朝市・輪島塗り・奥能登観光の拠点として、駅から賑わっていかなくてはならないのに、何の手建てもなく、ただ「赤字」だから「廃止」ということばかりを先行させていっているこのごろの石川県ですが、この方たちは能登鉄道友の会があれだけ何度も提言している振子式気動車の導入に耳を傾けようとしません。コンサートホールや動物園そして必要性の低い能登空港と、どれも赤字が見こまれている にもかかわらずに推し進めているやらなくてはいけない公共事業をやるくらいなら、もっと大事なのと鉄道の存在は何なんでしょうか。一度、振子式気動車に乗車されてみて、車との比較もされてみてすばらしさを実感してみてください。そりゃあ素人が言うほど簡単に車両購入なぞできるわけがありません。路盤改良・整備方法・JRとの調整など問題は山積ですが、そういうアクションだけでも起こして欲しいものです。 一説によりますと、現在のと鉄道に乗り入れているJR西日本金沢支社のキハ58系は、もう廃車にしてもよさそうな車齢にきているものの、「のと鉄道」乗り入れのために何とかもたせているが、本当は廃車にしたい。しかし、何で他の会社に乗り入れする新製車両を今さら投入しても何のメリットもないし、困っているとかいう情報も聞きます。真偽のほどは別として、JR四国と土佐くろしお鉄道が協力したように、JR西日本とのと鉄道も協力してこの問題に取り組んでもらわないと、このままではのと鉄道そのものの存在も危うくなりかねません。 何度乗っても土佐くろしお鉄道の2000系気動車のすばらしさに関心させられ、その見返りといったら変ですが、運賃は土佐くろしお鉄道のほうがのと鉄道より若干高くなっていたものの、それに代えれるだけの速さというものが存在していたと感じた今回のルポでした。 |
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